第2号前号次号目次
1990年4月〜1991年3月

「最近のTVはつまらない」
とお嘆きの方へ
【巻頭の挨拶】
昼間のテレビ番組に比べるとどうしても影の薄い深夜テレビ。それなりに歴史はあるのに、全体の歴史や番組の内容などをまとめたものを見たことがありません。所詮は使い捨て番組ばかりだから、と言い切ってもいいかもしれませんが、でもやっぱりもったいない。というわけでとりあえず私の見てきたものだけでも番組の内容をまとめ、個人的な感想を述べたり、批評をくわえてみよう、と思って作ったのがこの『深夜電映』なのです。
 …とか偉そうなことを書いて第1号を発行してからはや半年。その間に『放送文化』で深夜番組の特集が組まれるわ(これがまた私が言いたいことをほぼ全部言ってくれちゃってるんだ)97年4月改編ではこっつまらないタレント主導番組が乱立するわと私のやる気はかなり失われつつあったのですが、また作ってしまいました。
 今回は1990年に放送開始になった番組群を取り上げています。本当は91年の分まで行く予定でしたが、どうにもまとまりきらなかったのでこうなりました。そのため全体としても6号完結ということになりそうです(3号が91年分、4号が92〜93年分、5号が94〜95年分、6号がそれ以降分)(その後予定が変更され、もっと出そうです)
 前号があまりに偏った内容になってしまったため、今回は助っ人として3人の深夜テレビ好きを集めて座談会など開いてみました。これでかなり広い範囲の番組をとらえられたはずです。というわけで始まり始まり。
【使用上の注意】
 本文中では各番組について放送期間,放送曜日・時間,内容という3つの項目をたて、筆者(T)が見たものについては批評という項目もつけておきました。
 放送期間,放送曜日・時間については読んで字のごとくです。「内容」は、番組の内容を、その番組を見ていた人が説明したものですが、座談会というざっくばらんな場所で語られたものなのでややもすると主観が混じってきたりしてしまっています。「批評」は筆者(T)が、きわめて主観的になした批評です。好きな番組の批評は熱が入っています。
 ちなみに、今回の座談会の参加者は下の4人です(年齢順)。
 Y…1988年〜92年まで首都圏に在住
 T…生まれたときから首都圏在住
 U…1990年から首都圏在住
 M…1991年から首都圏在住

【Internet版について】
 各番組ごとに掲示板を設けました。情報、感想などその番組に関連することでしたら、何でも書き込んでください。皆さんからの情報を求めます。また、総合掲示板はこちらです。

1.所ジョージのオトナのにほへ
1990年4月〜9月
日本テレビ
土曜日24:00〜25:00 BBS
「何か1つテーマを決めて、それについて話し合う、というトークみたいな番組でしたね。たしか山瀬まみが出てたなあ…。ほかにも山瀬にくらべてちゃんとした大人が何人か出ていたんだけど思い出せない。タイトルの由来は、『大人の‘いろは’は知りつくしてその先を行く』というところからです」(U) 後日談:レギュラーとして所ジョージ・おすぎがいたことが判明。

2.禁断!イモリ帝国
1989年10月〜1990年9月
日本テレビ
金曜日25:10〜26:05 BBS
「大して覚えてないなあ…『メッセンジャーボーイズ』っコーナーがあったんだ。男声のコーラスグループを呼んできて、せつないことをその対象になる物や人に向かって「鬼のパンツはいいパンツ」のメロディにのせて歌ってもらう、っていう。それくらいしか印象にない」(Y)
(注:この番組は1989年開始なので本来なら第1号で取り上げられるべきだったのですが、当方のミスにより2号に入っています)

3.開運!こにてんてん
1990年4月〜9月
日本テレビ
月曜日26:05〜27:00 BBS
「『こにてんてん』=『ご』なんです。5個のコーナーにわかれていて、大槻ケンヂのコーナーと、当時イカ天で大ブームだったたまのコーナーなんかがありましたね。中尊寺ゆつこ司会の「全日本ラップ選手権」っていうのもあって、ときどきすごく変な人とか出てきておかしかったです。総合司会は久本雅美でした」(U)

4.東京イエローページ
1989年10月〜1990年9月
TBS
水曜日25:15〜26:15 BBS
「竹中直人がメインで、ミニコントをちょこちょこやってましたね。ちょうど今(1997年4月〜)やっている『デカメロン』の原形といえる番組だと思います」(U)
(注:この番組は1989年開始なので本来なら第1号で取り上げられるべきだったのですが、当方のミスにより2号に入っています)

5.カノッサの屈辱
1990年4月〜1991年3月
フジテレビ
月曜日24:40〜25:10
平均視聴率:3.3%
BBS
毎回あるテーマ(食べ物だったり流行だったり)を決め、その歴史やマーケティング戦略を実際の歴史的出来事にたとえて紹介していく。たとえば第1回目では、新宿西口のホテル戦争を「4大ホテル文明」と称し、いわゆる4大古代文明になぞらえて説明していた。案内役として仲谷昇(大学教授という設定)が登場する以外はタレントは出てこない。毎回仲谷の研究室が番組の冒頭と最後に映しだされ、「やあ皆さん、ようこそ私の研究室へ」「それではまた来週、この時間この場所でお会いしましょう」という台詞は流行語にもなった。
この時期の深夜番組を挙げるときに避けては通れない番組。実際、『フジテレビ深夜番組の最高傑作』とする声もあります(『放送文化』97年6月号)。私としても評価は高いんですが、いかんせん後半の半年が蛇足でした。半年ですぱっとやめていたら本当に伝説的番組となりえたはず。ただ、深夜番組初心者には入りやすい番組だと思います。ビデオも発売されているので、未見の方はご覧になることをおすすめしましょう(とか言って、もう絶版だったらどうしよう)。

6.子供、ほしいね
1990年4月〜1991年3月
フジテレビ
火曜日24:40〜25:10
(1990年4月〜9月)
木曜日24:40〜25:10
(1990年10月〜1991年3月)
平均視聴率:3.4%
BBS
『やっぱり猫が好き』に続く、三谷幸喜ら脚本によるシチュエーションコメディ。植木屋久保田一夫(大高洋夫)とその妻でラジオのDJの久保田うらら(工藤夕貴)の家庭でおこるさまざまな出来事を描く。例によって話はすべて家の中だけで展開し、『猫』の続編のためか、猫のサチコが前作に引き続いて登場している。なお、うららの兄の役で三谷自身が登場したことも記しておく必要があるだろう。
『猫』の後番組ということで、なるべくそこから遠ざからないようにしていたみたいだけど、それゆえに独自性という面に弱さがあったかも。一応の差別化として、うららの番組に寄せられたという設定のハガキ(実際は『子供、ほしいね』の視聴者からのもの)をドラマに組み込むという手を使ってはいるものの、あまり成功していないようだし。また、この2人が結婚しているのはラジオのリスナーには秘密である、という設定も効果的に使えないままでした。…でも、このような批判がなされてしまうのも前番組があまりに偉大だったからのこと。総合的にみるとすぐれた番組であったことは間違いないでしょう。なお、深夜番組としては異例のことですが、最終回は60分スペシャルでした。

7.でたらめ天使
1990年4月〜9月
フジテレビ
木曜日24:40〜25:10 BBS
高島政宏とつみきみほがメインのバラエティ。おもにショートコントで構成されていた。ほかの人が出ていた記憶がないのだが、さすがに2人だけということはないと思うので私の記憶力が弱いのだろう…と思って昔のビデオテープを引っ張り出して見てみたら知らない人たちがいっぱい出ていて、むしろメインの2人の出番の方が少なかった。人間の記憶なんてそんなものさ。
当時は、気軽にちょっと軽妙なコントがたくさん見られる、というほとんどそれだけの理由で見ていたような番組です。ただ、座談会で「この番組、もしも今やっていたら絶対見るよね」という意見が出たところから見てもけっこう面白かったといえましょう。と同時に、今の深夜テレビがいかにつまらないかというのもよくわかろうというものですな。

8.TV Plus Press
1990年4月〜1991年3月
フジテレビ
水曜日24:40〜25:10
平均視聴率:2.9%
BBS
その週に起こった事件や話題になっている時事問題9項目について、古舘伊知郎が詳しく解説するニュース番組。まったくギャグなどは入らない純粋な報道番組だった。
深夜に大まじめなことをやっても大丈夫、ということがこの番組で証明されたと言えるのかも。私自身、この番組で得た知識というのはけっこう多かったし(もうほとんど忘れてしまったけど)。それにしても、この番組での古舘のクレーンシートでの移動は当時やけに斬新に見えたっけ。

9.東京ストーリーズ
1990年4月〜1991年3月
フジテレビ
月曜日25:10〜25:40 BBS
毎回1話完結の恋愛ドラマ。舞台はタイトルの通りすべて東京。のちの『東京23区の女』の原形になった…のだろうか。
深夜にこんないかにもな『トレンディドラマ』(死語)をやっていたあたりがいかにもバブル期ですな。ちょうどフジテレビのアナウンサーがタレント化しまくっていた頃だったので、河野景子(今や横綱の妻)や有賀さつき(今なにやってんだろ?)などが出演した回があったりしたのでした。今活躍している役者とかが結構出演している、ような気もします。ウソかも。

10.姫TV
1989年10月?〜1993年3月?
テレビ朝日
金曜日28時30分〜29時00分 BBS
「この番組で語る、というと『クイズ! ターイム小学生』ですかねぇ。…っていうか、これ以外レギュラーコーナーがなかったんじゃないかなあ。コーナーの内容は、素っ裸の女の子の前にボードがいくつも立っていて、小学生並みのクイズが出題されて、その子が答えられないとそのボードが一枚一枚取れていくというものです。最後の2枚は胸と股間なんだけど、最終的にはその2枚も取れちゃう。井手らっきょがよく出てた。あと、現ビシバシステムの女の方」(U)
(注:この番組は1989年開始なので本来なら第1号で取り上げられるべきだったのですが、当方のミスにより2号に入っています)

11.GOB
1990年10月〜1991年3月
日本テレビ
土曜日24:00〜25:00,25:10〜26:00 BBS
「五部構成の番組。だから今となっては『こにてんてん』とコーナーの区別がつかない(笑)。シティボーイズは出てましたね。久本雅美もいたような…。あ、そうだ、シティボーイズの3人がそれぞれ自分のコーナーをもっていたんですよ。で覚えてるのは、きたろうプロデュースのコーナー。一言である人を笑わせよう、ってことで、ハガキに一言ずつ何か書いてきて、その中でいちばん面白かったのに賞品をあげよう、っていうそんなコーナーだった。前半の3部と後半の2部の間には10分間ニュースが入りました」(U)

12.ギグギャグゲリラ
1990年10月〜12月
日本テレビ
月曜日26:05〜27:00(10月〜11月)
火曜日26:10〜27:05(12月)
BBS
「伊集院光がメイン。あと、演劇系の人たちが出てました。細かいギャグが入ったコントコーナーの連続でたたみかける、という番組。ギグギャグゲリラ2ってのもあったんですよ(1991年1月から)。まあどっちもそんなに面白くはなかったですけど。伊集院で(数字的に)こけたっていうのでよく覚えている、みたいな」(U)

13.なりきーバンド講座
1990年10月〜1991年3月
TBS
水曜日25:40〜26:10 BBS
「いかにもタイトルどおりな番組ですよねえ。ちょうどイカ天やっていた頃ですから」(U)
「これ確かうじきつよしが出てましたよ。『カルトQ』前の」(M)

14.アインシュタイン
1990年10月〜1991年3月
フジテレビ
水曜日25:10〜25:40 BBS
純粋科学番組。文系の私は途中でリタイアしてしまったので、毎回見ていた方々の意見を聞いてみよう。
「前半は『NATURE』とかの海外の科学雑誌のトピックスを紹介するんですよ。で、後半は『アルベルトガーデン』と称して1つの話題を掘り下げて説明するんです。量子力学とは、とか」(U)
「元祖‘かぶりもの'の番組ですよね。あと、元祖‘CGもの'」(M)
「これのノウハウがのちに『ウゴウゴ・ルーガ』につながっていくわけです」(U)
「そういう意味では実験的な番組といえるね」(Y)

15.ダンスダンスダンス
1990年10月〜1991年9月
フジテレビ
火曜日24:40〜25:10 BBS
「司会がダウンタウンと木幡美子(フジテレビアナウンサー)というダンスの番組。半年後にダウンタウンが司会を降りて大沢樹生に変わった」(U)
「この番組で思い出すことといったら、ダウンタウンの『ガキの使い』でやった【降りたい番組ベスト5】だね。1位から5位まで全部これだった、っていう」(T)
「司会が大沢に変わってそのまま『ハウスエナジー』につながっていくわけか」(Y)
「そうですね。ちょうどジュリアナが話題になってテクノやハウスが盛り上がった頃です。もっとも、この番組はその前からやっているわけですが」(M)

16.19XX
1990年10月〜1991年9月
フジテレビ
月曜日25:10〜25:40 BBS
毎回ある年をテーマにとりあげ、その年の映像をバックに、その年に流行した曲をひたすら流し続ける、それだけ。誰一人としてタレントは出てこない。オープニングはカーペンターズの『Yesterday Once More』。
「最初の2クールで二十何年か全部やっちゃって、それで放送期間が伸びちゃったもんだから2周目に入って、2周目は仕方がないから洋楽とか入れてみた、という展開」(U)
「あまつさえ正月に特番までやった。1991年1月1日の1時ごろから5時ごろまで。あれはBGVとしてはすごく秀逸。でもって、その特番の何がすごいって、番組の最初にアーティスト名が出てくるんだけど、それがすごく長いわけ。で、こりゃたいしたもんだと思って見てたら、一曲目が『We are the world』(笑)」(Y)
「でもって最後がルイ・アームストロングの『What a wonderful world』(笑)。そのままエンディングに入った」(U)

17.音楽旅行
1990年10月〜1996年3月(?)
フジテレビ
金曜日26:25〜26:55 BBS
「毎月一人の女性タレントが世界のどこかを旅行して、その画像をバックにして洋楽のポピュラーが流れるんです。それがいつのまにか出てくるタレントが佐伯伽耶だけになって…」
「『佐伯伽耶の音楽旅行』という番組になった(笑)」(M)

18.TV Plus 実験室
1990年10月〜1990年11月
フジテレビ
月曜日27:05〜29:00 BBS
毎回ある科学法則(具体的には下記参照)について、本当にそれが正しいかどうかを115分にわたって実験しつづけるというすごい番組。さいころの出る目の確率は本当に6分の1ずつなのか? という回では1500回くらいふっていたような気がする。
「これ7回もやってるぞ。そんなに見た記憶ないなあ」(T)
「1回目がさいころの確率の実験で、あとフーコーの振り子、三平方の定理、浮力の実験、毛細管現象をやりましたね。…でもあと2回何やったんだろう」(U)
「浮力は『ナイトスクープ』でもやったよ。家庭用風呂で(笑)」(Y)
「こっちはちゃんとガラスの水槽使ってましたね。んでもって、番組は湾岸戦争(正確にはクウェート危機)のあおりで切られちゃった。番組には何の不手際もないのに切られたかわいそうな番組ではある」(T)

19.ミスショットクラブ2
1990年10月〜1991年3月
フジテレビ
土曜日28:40〜29:10 BBS
「今でもフジテレビが日曜の早朝にやっている変なゴルフ番組ありますよね、あれにつながる番組です。オールナイトフジが終わったあとの30分番組で、司会は有賀さつき。英語の"Miss”と「ミスショット」ってのをかけたタイトルで、水着だかレオタードだかを着た女の子が3人くらいでてきて、その格好でゴルフのレッスンを受ける、という番組」(U)
「それってゴルフを侮辱してますよ」(M)
Internet版制作者から……番組名の数字「2」は原題ではローマ数字です。

【最後のつぶやき】
 大急ぎで作ったもんだから結構あらが多いかもしれません。
 本来最後に書くことではないんですが、私にとっての「深夜テレビの定義」を下に記しておきます。前号で書いたのと同じです。
 1.番組の放送開始時間が24時以降であること。
 2.ニュース番組、スポーツ中継、映画でないこと。
 この2つを満たした番組で、なおかつレギュラー番組であるものがこの『深夜電映』の対象となるわけです。ただ、今回の場合境界線上にあると言える番組があります。『TV Plus Press』がそれです。この番組はニュース番組と言えなくもないのですが、その日の出来事を報道するという意味でのニュース番組ではないかな、と考えて「あり」にしました。
 前回紹介した番組があまりにもフジテレビに偏ってしまったことを反省して、広い範囲の番組を取り上げることを目標にして座談会など開いてみたのですがどんなもんだったでしょうか。この試みのおかげで自分の負担も減って私個人としては実に楽だったのですが。
 次回は91年放送開始分の番組をとりあげるわけですが、また調子にのって座談会をやりたいと思います。もしもそれに参加したいという物好きな方がいらっしゃったら、スタッフまで連絡を下さい。普通の人にはついてこられないようなディープな話をしたい方、お待ちしています。